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首里散歩 Vol.455 島からの恵みとご縁

西表島の旅3日目。
ビーチへ行く前にホテルでいただいた地図を持ち、レンタサイクルでパッションフルーツを探しに出かけた。

車通りの少ない道沿いには、傘にでもなりそうな大きさの葉っぱ・八重山クワズイモが飛び出すように生え、花の周りには幸運の象徴でもある白い蝶々・オオゴマダラが舞う。


景色を楽しみながらしばらく進んで行くと、あっという間にお目当てだった青果店「西表島ふる〜つらんど」に到着した。

(店の軒先には誰もいないみたい…今日はお休み?)
キョロキョロしながら、一歩ずつ近づき中を覗いてみる。

すると奥から、
「こんにちはぁ〜」
と、まるで近所の人に挨拶するかのようなトーンで、笑顔いっぱいの女性が出てきてくれた。

「こんにちは!パッションフルーツ探してるんですがこちらで買えますか?」
と尋ねると
「あぁ、いつもだったら今が時期なんだけど、収穫が遅れてて… まだないんですよ。」

「そうでしたか…それなら今はどこ探しても無いですかね…もう少し探してみます!」

帰ろうとすると、
「あ、ちょっと待って!」
店の奥に走っていき、
「コレどうぞ、少しだけど…」とパッションフルーツを2つを手渡してくれた。
「わあぁ!おいくらですか?」
「あ、これは形悪くて出せないものだから、お代はいいんです。」
すると、奥から店のご主人様も出てきてくれた。

「私、パッションフルーツが大好きで、この前東京の広尾のスーパーで1つ600円でしたけどどうしても食べたくて買っちゃいました」

ご夫妻はびっくりした様子で「えっ!!?」顔を見合わせる。
(いや、わたしもさすがに高いとは思ったけれど、食べたい欲が勝ってしまったのでね…)
東京での値段に驚いたことでしょう。

そして、
「せっかく来てくれたのにごめんね、よかったらこれ。」
お店の通販のパンフレットもいただき、
「ありがとうございます!帰ったら必ずこちらに発注しますね!!」と言うと、
無理しなくていいのよと言わんばかりに首を横に振るご夫妻。

その雰囲気と空気感に、この島ではこんなにも日常が穏やかに流れてるのかと、温かなおもてなしに心洗われた。

………
旅から戻り、収穫の時期を待って注文した箱を開けると、赤紫や黄色、大小さまざまで賑やかなパッションフルーツが詰まっている。

皮が張ってツヤっとした採れたても美味しいけれど、少し経って皮にシワが出てくると熟したサイン、一層甘みが増し食べ頃になる。

また、ふる~つらんどさんのこだわりは『露地栽培』。
表面に小さな傷がつくこともあるそうだが、爽やかな酸味の後からくるほんのりした甘さが、香り高く拡がる。この奥ゆかしい甘さとメイドインジャパンを感じる品質。これが西表島から運ばれてきたんだなぁと、ダンボールを眺めた。

ガイドブックだけでは知り得ないあの場所へ、足をのばして出かけたからこそ続いたご縁、島の恵みをいただきながら想いを馳せた。

パッションフルーツの旬は8月頃まで、まだまだ大好きなこの味を楽しめそうだ。

ライター
まちこ